倉本英雄前名誉会長が永年にわたり心を込めて執筆した 著書より抜粋しお届けします
日本ヨーガ道友協会会長補佐 倉本久美子
古来より「太陽は最良の薬である」「太陽の来ない家には医者がくる」などと言われ、健康づくりの根幹は「太陽光」でした。医聖ヒポクラテスは「人間は自分の体の中に最高の名医を住まわせている。私の仕事は、その名医を呼び出すことだ」 と述べ、名医を呼び出すために勧めたのが「日光浴」でした。
名医とは「自然治癒力」のこと。医学の進歩した現代でも日光の有用性はなんら変わりません。ところが日焼けやしみ、そばかす、しわ、たるみなど美容上の問題や皮膚がんを恐れて「日光にあまり当たらないほうがいい」と太陽光を危険視する風潮に。
「紫外線には絶対当てないでほしい」との親からの要望で、朝から夕方まで子供を建物から一歩も出さない保育園や幼稚園さえ現れる始末。これはせっかくの太陽の恵みをドブに捨てるようなもの。日光に当たらないことの弊害は甚大!
黄色人種の皮膚がんの危険性は 白人の百分の一。日光は、むしろがん退治の強力な援軍です。
「太陽光 線は皮膚で食べるパンだ」と言われるように、肌から紫外線を摂ればビタミンDをたっぷり産生。ビタミンDはがん細胞の増殖を抑制し正常細胞への分化を誘導するそうです。がん予防効果は絶大。日照時間が短い北海道や東北で大腸がんや乳がんの罹病率が高く、南下に従って発生率が低いのはその現れ。
緯度や季節、肌の露出の少ない服 などで日光不足になりビタミンDの生成が減少したから。夜勤者は日光浴が不可欠。またビタミンDは「骨のビタミン」とも言われ骨や歯を丈夫に。ガラス超しの陽光では UVーB(ビタミンDを作る紫外線)がカットされ効果はなし。「太陽の恵み」は、まだまだいっぱい!
倉本英雄 著『和・楽・愛』より