ヨーガ道場での体験2
香川ヨーガ道友会副会長 山本 斌曠
◆道場には全国各地から大勢の 修行者が集まっ ていました。医者に見放された病人、下半身麻痺した青年、親の顔さえはっきりしない精神病の乙女、脳卒中で歩けな くなった老人など、不自由な体を ねじるようにして必死に生きよ うとしている姿に、どこも悪くない私には、驚きというよりも恐ろしいほどでした。そうした人達との束の間の語らいは、またまた新しい驚きでした。目の不自由な人は目の見える人より、物が見えな いと思っていました。目や耳の不自由な人は耳の聞こえる人より、物を聞き取ることが出来ないと思っていまた。ところが目や耳 の不自由な人たちは心で物を見て心で物を聞き分けているのです。
物の表面だけを見て、見たと思っている。聞こえても来たものだけが聞こえているのだと思っている限りは、生きていだけ間が、どんなにすばらしいかということさえ気づかないで一生を終わってしまうのかもしれません。
◆指導される先生方の凛と響く声、しなやかな動き、傲ることの ない懇切な指導ぶり、先生方の方から先に「有難うございました。」と いう感謝の言葉。
沖正弘先生のヨーガに対する姿勢が、道場のすみずみまで指導者全員にしっかりと徹底されていることに感銘を受けました。そしてそれは、私が経験した世間の学校や公共の施設のいわゆる先生方のそれとは異質のものでした。
(つづく)