ヨーガを通じ県民の健康づくり

ほっと一息道友新聞

四国新聞 令和4年10月26日付より

 香川ヨーガ道友会名誉会長 倉本 英雄さん 9月23日 85歳で死去 「香川にヨーガを広めたい。県 民の1パーセント(1万人)が目標」「ヨーガで心と体をほぐせ 子どもたちのいじめはなくなる」。
1976年に教職員らで香 川ヨーガ道友会を立ち上げた倉本英雄さんがよく話していた。
 香川大生のころヨーガに出合ったという。県立高校で20年間教べんを執った後、「学校だけでなく、広く魅力を伝えたい」 と82年に香川銀行能力開発研究所長に転身した。
 目指したのは、誰にでもできる体にやさしいヨーガ。呼吸を整えながら体をゆっくりと曲げ伸ばし、心も解きほぐす。地域の公民館を中心に草の根的な活動を続け、現在、県内285教室で会員は約2000人。西日本を中心に日本ヨーガ道友協会も設立、8府県で170人の講師が活動している。
 YIE(教育にヨーガを)を合言葉に学校に出向き、子どもたちの健全育成にも力を入れてきた。長く四国新聞文化教室の講師を務め、10年間にわたり本紙に「パワフルライフ21 心身文化講座」を寄稿してくれた。
 2001年2月、同会のインド研修旅行に同行させてもらった。メンバーはヨーガの聖地リシケシを訪ね、アシュラムと呼ばれる修行道場で実践した。 県民から募った義援金を、病の人たちが暮らすコルカタのマザー・テレサの施設に届けるのも大切な目的だった。その後、倉本さんに会えば必ずヨーガのワンポイントレッスン。「手の爪の両側をぐっと押すと体にいいですよ」。笑顔で生活することの大切さも教えてくれた。
 昨年体調を崩し、次女の萩原 涼さんに会長を託した。「新型コロナウイルスでまだ活動に制約はあるが、父の夢をつないでいきたい」。創立46年を迎え、これからも倉本さんのまな弟子たちが県民の健康づくりに寄り添ってくれることだろう。 (四国新聞 三谷 倫久)