呼吸の探究

ほっと一息

香川ヨーガ道友会副会長 久利博文

 ヨーガの根本構造は、体位法、呼吸法、瞑想法の三つの柱でできています。その一つである呼吸法に焦点を絞って「呼吸の探究」と題して考察したい。
 私たちは無意識に当たり前のように呼吸をしています。だから、呼吸には無関心で意識的に考えることはほとんどありません。
 健康の土台は呼吸です。呼吸は深く静かにゆったりとしたリズムで行うのが一番良い のです。呼吸の仕方はそれほどまでに大事なのです。古来より「呼吸を制するものは人生 を制する」と言われています。
 人は食事を10日くらい摂らなくても生きていられますが、呼吸はわずか5分でも休めば死に至ります。呼吸は人を生かし続ける根のようなものです。呼吸こそ心と体に生きる 力を与える生命力の源泉であり、生きる根底にあるのが呼吸をすることです。
 そこで、第1回と第2回で必須なポイントをおさらいし、順次10回に亘って「呼吸の探究」の稿を進めたい。

                   第1回「呼吸のしくみ」

 人が生命を維持するために必要不可欠な呼吸は、肺によって行われているのは周知のとおりです。肺の大きな役割は、空気中の酸素を体内に取り込み、不要になった二酸化炭素を排出して、新鮮な血液をつくることです。
 肺は左右一対で、両肺の中は気管支が20回ほど枝分かれした先に「肺胞」があります。 肺胞はブドウの房によく似た球状の小さな袋が無数にあり肺を埋め尽くしています。そ の1個は数の子の粒よりも小さく数はなんと約3億~5億の肺胞があります。
 呼吸は体内へ酸素を取り込み、要らなくなった二酸化炭素を排出する活動です。ただ し、二酸化炭素を排出するからといって、二酸化炭素は体にとって不要なものではなく、 体内の「酸性/アルカリ性」のバランスを保つ調整役を担っており、重要な役割を果たしていることも理解しておきましょう。

 その呼吸には「外呼吸」と「内呼吸」があります。
(1)外呼吸【肺胞⇔毛細血管】
 外呼吸は、息を吸い込み肺胞内の空気と肺胞を取り巻く毛細血管との間で行われる 酸素と二酸化炭素のガス交換のことです。
(2)内呼吸【細胞⇔毛細血管】
 内呼吸は、体内の約40兆個の細胞と毛細血管との間で行われる酸素と二酸化炭素のガス交換のことです。
呼吸で取り込んだ酸素を利用して、細胞内のミトコンドリアでエネルギーをつくり出し、その過程でつくられ た二酸化炭素を血液中に排出します。
この内呼吸によって酸素が使われて、人が生きていく上で最も重要なエネルギーを
生み出す働きをするのです。
内呼吸は人にとって外呼吸よりもより本質的な呼吸といえます。