ヨーガの視点

道友新聞

第9回 ヨーガ道場での体験
香川ヨーガ道友会副会長
 山本斌曠

 生まれて初めてのヨーガ道場での体験をお話しましょうそれは昭和52年8月、静岡県三島市沢地、沖正弘先生が日本で最初にヨーガ道場を開いた所です。道場の1日は午前5時起床から始まります。5時半から、沖先生の講話と朝の勤行「般若心経」の唱和が行われます。初日の講話は「生命即神」ということについて、「私たち一人ひとりの命は、何物にも代え難いものです。あなたは、あなた1人であるから、あなたの生命力や、霊性を高めるものを、あなた自身が発見し、あなた自身で実行に移していかねばならないのです。」という趣旨のお話でした。道場での1週間の体験が終わる頃には、沖先生の言わんとされる真意をつかむようになるのでした。

 講話の後、全員で道場内外の清掃を行い、6時半からは、毎日、全員で時間のマラソンに出かけます。 道場の裏山を越えて尾根に出ると、目の前に大きな富士山が朝日を浴びて堂々と輝いていました。マラソンというと、体調の悪い人や松葉杖を突いている人は「休ませてください」と言うのですが、沖先生はそれを絶対に許しませんでした。
「体調が悪いのも、それが自分なのだから、自分で決済しなければならないのです。ありとあらゆる方法で山に向かって30分進みなさい。そして30分かけて戻りなさい。それが全力をということです。」
(つづく)