香川ヨーガ道友会 副会長
山本斌曠
◆昭和五十二年当時の道場での食事についてお話しましょう。朝のマラソンが終わると、朝食です。 朝は、お椀に一杯の味噌汁が出るだけです。だからあっという間に終ってしまいます。しかし、そのうちに、この一杯の味噌汁を味わって口に入れられるようになります。そして、最後の一滴まで甘露のごとく味わいながら、あらゆるものに感謝して、生かされていることに心から喜びを感じられるようになってくるのです。
午前中は、体位法、呼吸法などの実習があります。昼食はお茶碗に軽く一杯の玄米ご飯です。副食は牛蒡、人参、椎茸などの煮物や高野豆腐に干物の焼き魚などです。昼食の後は、毎日沖正弘先生の強化行法の指導がばっちり2時間あります。それが終わると、夕食までやっと自由時間となります。
夜の食事は丼一杯のうどんとか蕎麦あるいは素麺などの麺類など、その日によって替ります。夕食後は沖先生の講話や、夜の勤行の後、 その日の反省文や沖先生からの課題が出されます。それらを提出して、やっと眠りにつけるのは10時頃です。
◆道場での生活にもだんだんと慣れてきました。ちょうど三日目の朝のことでした。いつものように、 トイレに行って用を足したのです が、出るは出るは、びっくりするほどの便が山のように出るのです。 便器を一度水で流しても、まだ便意を催すのです。便器をまたまた一杯にして、もう一度、水で洗い流して、やっと落ち着きました。 ははぁん、これが腸壁などにこびりついていた宿便という奴だなと合点したものです。
その日から体が軽くなったようで、ブロックの塀の上でも階段でも一気に駆け抜けたいような衝動を覚えるし、 むしろ気持ちが前へ前へと走っていくようで、嬉しくて、楽しくて たまらないような心境になるから不思議なのです。
(つづく)